中古車の契約不適合責任は弁護士に相談すべき?故障時に確認される4つの争点 中古車を購入して間もなく重大な故障が見つかったとき、販売店から次のように言われることがあります。 「中古車なので故障はあります」 「保証なしで販売しています」 「現状渡しなので修理費はお客様負担です」 たしかに、中古車は新車ではありません。年式や走行距離に応じた劣化があり、消耗品の交換が必要になることもあります。 しかし、購入者は故障する部品の集合体を買ったわけではありません。 通常は、 安全に公道を走
中古車の契約不適合責任は弁護士に相談すべき?故障時に確認される4つの争点
中古車を購入して間もなく重大な故障が見つかったとき、販売店から次のように言われることがあります。
「中古車なので故障はあります」 「保証なしで販売しています」 「現状渡しなので修理費はお客様負担です」
たしかに、中古車は新車ではありません。年式や走行距離に応じた劣化があり、消耗品の交換が必要になることもあります。
しかし、購入者は故障する部品の集合体を買ったわけではありません。
通常は、安全に公道を走行できる状態の自動車として購入しています。納車後すぐにエンジンが停止する、ブレーキに重大な異常がある、オーバーヒートする、ミッションの不具合で正常に走れない。そのような状態の車を購入したわけではありません。
販売時点ですでに安全走行へ支障を及ぼす状態があり、購入時に説明された内容とも異なっていた場合には、契約不適合責任が問題になることがあります。
民法では、引き渡された目的物が種類・品質・数量について契約内容に適合しない場合、買主が修補などの追完、代金減額、損害賠償、契約解除を求めるための規定が置かれています。[出典1]
ただし、中古車に不具合が出たからといって、直ちに販売店の契約不適合責任が認められるわけではありません。
弁護士に相談する場合も、まず確認されるのは「壊れたかどうか」だけではなく、契約内容、販売時の説明、車両状態、発生時期などです。
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契約不適合責任は「故障したか」ではなく「契約と違うか」で考える
契約不適合責任という言葉は難しく見えますが、中心になる考え方は比較的シンプルです。
実際に引き渡された車が、契約で予定されていた内容に合っていたか。
ここが出発点です。
たとえば、年式が古く、走行距離も多く、バッテリーやタイヤなどの消耗品について説明を受けたうえで購入した車であれば、購入後の交換が当然に契約不適合になるとは限りません。
一方、販売ページには「機関良好」「不具合なし」「法定整備付き」と表示され、販売店からも問題なく走れると説明されていたにもかかわらず、納車直後から重大なエンジン不調が出た場合は事情が異なります。
JU中販連は、中古車には一定程度の損耗があることを前提としながらも、通常の使用による不具合とはいえない場合には、契約内容と異なる商品を引き渡したものとして契約不適合責任が問題になると説明しています。[出典2]
つまり、争点になるのは単なる故障の有無ではありません。
契約ではどのような品質が予定されていたのか。 その不具合について購入前に説明されていたのか。 車の年式や走行距離から通常予想できる自然損耗なのか。 安全に公道を走行できる状態だったのか。
こうした事情を一つずつ確認する必要があります。
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争点1 購入時にどのような車として説明されていたか
中古車の契約内容は、契約書だけで決まるとは限りません。
注文書、保証書、車両状態評価書、整備明細書、販売ページ、販売店の説明なども、「どのような車として売買されたのか」を確認する材料になります。
たとえば、次のような表示です。
「機関良好」 「不具合なし」 「法定整備付き」 「修復歴なし」 「安心して乗れます」 「まだまだ走れます」
こうした説明を見て購入したにもかかわらず、納車直後から安全走行へ支障を及ぼす不具合が出た場合には、説明と実際の車両状態に違いがなかったかを確認する必要があります。
ここで非常に重要になるのが、カーセンサーやグーネットなどの販売ページのスクリーンショットです。
中古車の販売ページは、売約後に掲載終了となったり、削除されたり、内容が変更されたりすることがあります。トラブルが起きてから確認しようとしても、すでにページが見られないことがあります。
購入を検討している段階で、年式、走行距離、修復歴、保証、法定整備、販売店コメント、掲載写真、URL、保存日時が確認できる形でスクショを残しておくことが大切です。
販売ページのスクショは、単なる車選びの記録ではありません。
販売店との交渉や弁護士への相談で、「どのような説明を前提に購入したのか」を示す重要な資料になります。
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争点2 その故障は自然損耗か、契約内容に適合しない不具合か
中古車の契約不適合責任で難しいのが、自然損耗との区別です。
中古車は前の所有者が使用した車です。年式、走行距離、整備状況によって、部品の消耗具合も異なります。
バッテリー、タイヤ、ワイパー、ブレーキパッド、ゴム類、油脂類などは、使用や時間の経過によって交換が必要になることがあります。
しかし、安全に公道を走行するための基本的な機能まで、すべて「中古車の自然損耗」で片づけられるとは限りません。
納車後すぐにエンジンが停止する。 ブレーキが正常に機能しない。 冷却水漏れによってオーバーヒートする。 ミッションが正常に作動せず走行できない。 大量のオイル漏れや白煙が発生する。
このような状態であれば、購入時から車が安全に公道を走れる品質を備えていたのかが問題になります。
JU中販連は、通常の使用により生じる不具合とはいえない場合について、契約不適合責任の問題になるのが原則だと説明しています。販売店が不具合を知らなかったことだけで、当然に責任を免れるわけではないとも説明しています。[出典2]
故障箇所、車の年式、走行距離、販売価格、購入時の説明、納車から故障までの期間などを総合して考える必要があります。
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争点3 「保証なし」「現状渡し」で責任はなくなるのか
販売店から「保証なしです」と言われると、契約不適合責任も問えないように感じるかもしれません。
しかし、保証と契約不適合責任は同じものではありません。
保証は、販売店が一定の期間や範囲について修理などを約束するものです。一方、契約不適合責任は、引き渡された車が契約内容に適合していたかという問題です。
JU中販連は、契約内容に適合しない不具合については、保証契約の有無とは切り離して考える必要があり、現状販売や保証なし販売であっても対応が必要になる場合があると説明しています。[出典2]
現状渡し販売についても同様です。
現状渡しだからといって、どのような不具合があっても販売店が責任を負わないわけではありません。
JU中販連は、現状渡し販売では適正な品質表示と、現状渡しであることの事前説明が必要であり、それでも契約に適合しない不具合については販売店が無償修理などに応じなければならないと説明しています。[出典3]
重要なのは、「現状渡し」という言葉の有無だけではありません。
どの不具合について説明を受けたのか。 どのような車両状態を確認して契約したのか。 販売ページや注文書には何と書かれていたのか。 安全に走行できない状態について説明があったのか。
ここを確認する必要があります。
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争点4 不具合をいつ知り、いつ販売店へ伝えたか
契約不適合責任では、販売店へ不具合を伝える時期も重要です。
民法では、買主が契約不適合を知った時から1年以内に、その旨を売主へ通知することが原則とされています。法務省の説明資料では、通知する内容として、不適合の種類やおおよその範囲を伝えることが想定されています。[出典1]
ただし、「1年間は何もしなくてもよい」という意味ではありません。
時間がたつほど、故障が販売時点から存在していたのか、購入後の使用によって発生したのかを確認しにくくなります。販売ページが消えたり、故障時の状態が修理によって変化したりすることもあります。
異変に気づいたら、発生日、走行距離、症状、警告灯、販売店へ連絡した日、回答内容を記録しておくことが重要です。
販売店との電話だけで終わらせず、メールやメッセージなど、内容を確認できる方法も活用すると、あとから交渉経緯を整理しやすくなります。
通知期間だけでなく、消滅時効や契約書上の条件など別の問題もあるため、弁護士への相談を考えている場合は早めに動いたほうが状況を伝えやすくなります。
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契約不適合責任で購入者が求められる対応
契約不適合が問題になる場合、購入者が考えられる対応は「返品」だけではありません。
民法上は、修補などの追完、代金減額、損害賠償、契約解除が問題になります。法務省の改正民法説明資料でも、これらの救済方法が示されています。[出典1]
中古車の場合、修理できる不具合であれば、まず無償修理などの追完が問題になることがあります。
販売店が修理に応じない場合、修理ができない場合、修理を繰り返しても改善しない場合、契約の目的を達成できない場合には、代金減額や契約解除が検討されることがあります。
JU中販連も、修理可能な場合は追完請求、修理が不可能な場合は代金減額請求、追完に応じられない場合などには契約解除が問題になると説明しています。[出典2]
ただし、どの対応を求められるかは、故障内容や販売店の対応によって変わります。
最初から「返品しか認めない」と決めるのではなく、車両状態と契約内容を整理したうえで、弁護士に相談することが大切です。
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弁護士へ相談する前に、販売店との交渉内容を整理する
弁護士に相談する段階になっても、販売店との交渉経緯は重要です。
販売店へいつ連絡したのか。 どのような不具合を伝えたのか。 販売店は修理を提案したのか。 保証なし・現状渡しを理由に対応を拒んだのか。 返金や代金減額について話したのか。
弁護士は、契約書だけを見るわけではありません。どのような問題が起き、当事者同士でどこまで話し合ったのかも確認します。
交渉では、強い言葉を使うことより、事実と資料を分けて示すことが重要です。
購入時の説明。 納車後に起きた症状。 写真や動画から確認できる状態。 修理見積書の内容。 販売店の回答。
これらが時系列で整理されていれば、販売店との交渉でも、弁護士相談でも状況を説明しやすくなります。
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弁護士へ相談する目安
販売店との話し合いだけで解決できれば、必ずしも弁護士へ依頼する必要はありません。
一方で、販売店が一切の対応を拒んでいる場合、高額な修理費が発生している場合、返金や契約解除を求めたい場合、損害賠償を検討している場合、少額訴訟や通常訴訟を考えている場合は、弁護士への相談を検討する段階です。
また、契約書に複雑な免責条項がある場合や、販売店が「契約不適合責任は負わない」と主張している場合も、条項の有効性を含めて法律専門家に確認する意味があります。
費用面が不安な場合は、法テラスの無料法律相談を利用できる可能性があります。
法テラスの無料法律相談は、収入や資産が一定基準以下であることなどの条件があり、相談時間は1回30分、同一問題につき3回まで、原則として事前予約が必要です。[出典4]
30分は長くありません。
相談前に、契約書、保証書、販売ページ、写真・動画、修理見積書、販売店とのやり取りを整理しておくことで、限られた時間を使いやすくなります。
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少額訴訟を考える場合は、最初の期日までの資料準備が重要
請求する金額が60万円以下の場合は、少額訴訟を検討する場面もあります。
裁判所は、少額訴訟を60万円以下の金銭の支払いを求める訴えについて、原則として1回の審理で解決を図る手続と説明しています。原則1回の審理で進めるため、最初の期日までに言い分と証拠を提出する必要があります。[出典5]
中古車トラブルで少額訴訟を考える場合は、修理見積書だけでなく、購入時の販売情報や、故障時の状態が伝わる資料も重要です。
弁護士や裁判官は法律の専門家ですが、必ずしも車の構造や故障の専門家ではありません。
「異音がする」 「オイル漏れがある」 「白煙が出ている」
という言葉だけでは、その症状が安全走行へどのように影響するのか、専門外の人には伝わりにくいことがあります。
車両状態を写真・動画で示し、販売ページの説明、契約書類、修理見積書、販売店との交渉経緯とつなげることが必要です。
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契約不適合責任の交渉材料を形にするタスカル
中古車の契約不適合責任を販売店へ伝えようとしても、購入者自身では説明が難しいことがあります。
「買ってすぐ壊れた」 「販売ページと違う」 「安全に走れない」
そう訴えても、販売店からは「中古車だから」「保証なしだから」「自然損耗だから」と返されることがあります。
この状態では、購入者と販売店の主張がすれ違ったままです。
タスカルは、独自システムを用いて、画像・動画から確認できる中古車の故障状態を第三者法人として鑑定するサービスです。
警告灯、異音、オイル漏れ、白煙など、写真・動画から確認できる車両状態を第三者法人の立場で鑑定し、カーセンサーやグーネットの販売ページ、契約書、保証書、修理見積書、販売店とのやり取りとあわせて、状況を説明できる資料にまとめます。
タスカルは、故障原因を断定する実車診断や修理を行うサービスではありません。法律判断や販売店との交渉代行も行いません。
しかし、第三者法人画像・動画鑑定書があれば、販売店との交渉で、
「写真・動画からどのような状態が確認できるのか」 「購入時の説明と実際の車両状態にどのような違いがあるのか」 「どの販売情報や修理見積書をもとに説明しているのか」
を示す材料になります。
販売店との交渉では、購入者の感情の強さではなく、何が起きたのかを相手へ説明できる資料が重要です。
タスカルは、「壊れた」という訴えを、写真・動画と購入時の情報に基づく第三者法人名義の鑑定書へ変えます。
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弁護士相談でも、車両状態を専門外の人へ伝えられる
弁護士へ契約不適合責任について相談するときも、車両状態を伝える資料が必要です。
契約書や法律上の主張だけでは、実際に車へどのような不具合が起きているのかまでは伝わりません。
弁護士や裁判官は車の専門家ではないため、写真や動画を見ても、何に注目すればよいのかわからないことがあります。
タスカルの第三者法人画像・動画鑑定書は、写真・動画から確認できる故障状態を整理し、販売ページや契約書類、修理見積書とあわせて、問題の流れを説明する資料になります。
販売店との交渉で使用した資料を、弁護士相談や少額訴訟でも状況説明に活用できれば、交渉から法律相談までの経緯をつなげやすくなります。
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契約不適合責任かどうかわからなくても、資料から確認できる
購入者が自分だけで「これは契約不適合責任だ」と判断する必要はありません。
車の故障原因や契約内容は複雑です。年式相応の自然損耗なのか、販売時の説明と異なる不具合なのか、法律専門家の判断が必要になることもあります。
大切なのは、判断できないから諦めることではありません。
販売ページを確認する。 契約書や保証書を読む。 故障時の写真・動画を見る。 修理見積書を確認する。 販売店とのやり取りを時系列にする。
こうした資料がそろえば、販売店との交渉、消費生活センターへの相談、弁護士への相談を進めるための土台ができます。
「中古車だから仕方ない」と言われたとしても、安全に公道を走れる車として購入した前提や、販売時の説明と実際の状態に違いがないかを確認する余地は残っています。
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まとめ:契約不適合責任を弁護士へ相談するなら「契約」と「車両状態」をつなげる
中古車の契約不適合責任で重要なのは、単に故障したかどうかではありません。
購入時にどのような車として説明されていたのか。 その故障は通常予想される自然損耗なのか。 安全に公道を走れる状態だったのか。 保証なし・現状渡しについて、どのような説明があったのか。 不具合をいつ知り、いつ販売店へ伝えたのか。
これらを総合して、契約内容に適合していたかを考えます。
買主は、契約不適合を知った時から1年以内に売主へ通知することが原則とされています。ただし、時間がたつほど販売時点の状態を確認しにくくなるため、早めに記録と連絡を行うことが大切です。
販売店との交渉では、カーセンサーやグーネットの販売ページ、契約書、保証書、写真・動画、修理見積書、やり取りを整理します。
タスカルは、独自システムを用いて写真・動画から確認できる故障状態を第三者法人として鑑定し、販売情報や契約書類とあわせて、販売店との交渉や弁護士相談で状況を説明するための資料にまとめます。
弁護士へ相談するときに必要なのは、法律用語を完璧に使うことではありません。
どのような説明で購入し、実際の車に何が起き、販売店とどのような交渉をしているのか。
その流れを資料で説明できる状態にすることが、契約不適合責任を整理するための第一歩になります。
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参考・出典
[出典1]法務省「民法(債権関係)の改正に関する説明資料―主な改正事項―」 https://www.moj.go.jp/content/001259612.pdf
[出典2]一般社団法人 日本中古自動車販売協会連合会(JU中販連)「債務不履行(契約不適合責任/旧法:瑕疵担保責任)」 https://www.jucda.or.jp/soudan/kisochishiki/05.html
[出典3]一般社団法人 日本中古自動車販売協会連合会(JU中販連)「現状渡し販売で購入した中古車の購入後不具合について」 https://www.jucda.or.jp/soudan/trouble/afterdelivery/02.html
[出典4]日本司法支援センター 法テラス「無料法律相談のご利用の流れ」 https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/goriyounonagare.html
[出典5]裁判所「少額訴訟」 https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_02/index.html
写真・動画・資料に残る状態を、第三者法人名義の鑑定書へ。
エンジン内部・ミッション内部も、内視鏡画像や点検写真、作動動画、診断資料などに状態が残っていれば鑑定対象です。
分解・測定を伴う整備診断や、素材に写っていない状態、故障原因、走行安全性、保証・法的責任の断定は行いません。